今日は自動運転の実用化について書きたいと思います。
完全自動運転がまもなく実現化するかのように巷では言われていますが、本当に実用化される日が来るのでしょうか?
私もいろいろと調べてみましたが、なかなか難しいのでは?と思っています。

実用化に向けての諸問題を挙げる前に、自動運転の定義(レベル)について今一度書きます。
自動運転は、どのような部分やシーンで自動化されているかによって5段階のレベルに分けられています。
◆レベル1(運転者支援)
加速・操舵・制動のいずれか単一をシステムが支援的に行います。自動ブレーキなどがこれにあたります。
◆レベル2(部分的自動運転)
走行環境を観測しながら、加速・操舵・制動のうち同時に複数の操作をシステムが行う状態をいいます。
ステアリングアシスト装置付き等がこれにあたります。
◆レベル3(条件付き自動運転)
限定的な環境や状況などで、システムが加速・操舵・制動を行います。
しかし、緊急時やシステムが扱いきれない状況下になるとドライバーに運転操作が戻されます。
でも、ちょっと想像してみてください・・・
それまで自動運転だったのが、いきなり操作を戻されたら。。。
ビックリしませんかΣ( ̄□ ̄;)
◆レベル4(高度自動運転)
高速道路上などのある状況下のみ加速・操舵・制動といった操作を全てシステムが行い、その条件が続く限りドライバーが全く関与しなくても自動運転してくれます。
ただし、特定の状況下を離れると人間の運転が必要になります。
日本では2020年までに実用化を目標としています。
◆レベル5(完全自動運転)
すべての運転が自動で行なわれ、さらに運転環境の監視、安全運行のための適切な対応も、自動で行なわれます。
日本ではレベル5の完全自動運転を2025年を目途に目指すとしているそうです。
2018年現在、レベル3の車両(アウディA8)の市販化が海外では始まるそうです。
しかし、日本ではまだ法整備が整っていないので未定とのこと。
そして、この【法整備】が自動運転を実用化出来ない最大の問題だと私は思います。
人工知能(AI)などの技術の進化は素晴らしくシステム面からみれば実用化は可能だと思いますが、法整備の面から見た場合だとまず無理なんじゃないかと思います。
例えば、次の図の状況下だと自動運転車(黄色い車)はどのような判断を下すのでしょうか?

時速60Kmで走行中に先行車の大型トラックが急ブレーキをかけました。
このままだと急ブレーキをかけても衝突回避は無理で、下記3つの選択肢しかありません。
A:このまま真っ直ぐ進むと大型トラックに追突します(自車には家族が同乗しています)
B:左に避けると下校途中の子供達の列に突っ込むことになります。
C:右に避けるとベンチで休憩中のお年寄りにぶつかります。
このような究極的な判断を下さなければならいない時に自動運転車(AI)は、
・将来のある子供たちを守るのか?
・被害人数の少ない方を選ぶのか?
・他人を巻き込まず家族を犠牲にしてでも大型トラックに追突する方を選ぶのか?
このような場合では、正しい選択肢(回答)はないと思いますが、何れかの選択はしなければなりません。
さてさて、AIはどのような判断をするのでしょうか。
そして、もっと大きな問題があります。
事故が起きた場合の責任の所在です。
今のところレバル3まではドライバーに責任がかかりますが、レベル4以上の場合だと
・車メーカー?
・AIなどのシステム開発者?
・それともドライバー?
まだまだ議論の段階のようです。
他にも問題はあります。
自動運転車は、コンピューターウイルスに感染する可能性があるという話しもあります。
もし、自動運転車がハッキングされたら・・・怖いですね。
また、地震、津波、噴火などの大規模災害が起きた場合、地割れや陥没、建物や電柱の倒壊などで道路の状況が一変すると自動運転は使えなくなるという指摘もあります。
地震だけに限っても、「東海地震」87%、「首都圏直下地震」・「東南海地震」70%程度、「南海地震」60%程度の確率で30年以内に発生すると政府の地震調査委員会は発表しています。
自動運転が実用化した頃にこんな大規模災害が起きたら・・・ その時に役立つのはシステムの力か、人の力か。
こんなことを考えるのは私だけでしょうか。
進化して便利になるということは、その反面様々な問題も生ずるということになります。
先程も書きましたが、レベル3になっても緊急時やシステムが扱いきれない状況下になるとドライバーに運転操作が戻されます。
そうなると、やはり頼れるのは自分自身の運転力や危険回避能力ということになります。
私は運転支援システムなどの便利で安全に役立つものはドンドン活用していくべきだと考えていますが、まるっきりそれに頼ってしまうといざという時に困ることになるとも思います。
近未来では自動運転があたり前になるとは思いますが、それはまだ少し先のお話しのようですね。
今しばらくは自らの運転能力、安全能力を鍛えて楽しく運転していきたいものですね。
では、また(@^^)/~~~
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